法務省の西日本入国管理センター(大阪府茨木市)で、体調の悪い収容者の仮放免などを求め、収容者が3 月に集団でハンガーストライキをした後、それまでなかなか認められなかった仮放免が相次いで許可されていることがわかった。センター側はハンストとの関連 は否定しているが、支援者らは「何か問題が起きないと考えないのか」と指摘している。
ハンストは全収容者約130人のうち男性収容者70人以上が3月8日に始め、「病気が悪化するまでに仮放免しろ」などの要求を掲げ、いっせいに給食を拒否した。収容者の代表と職員が話し合い、20日にいったん終わった。
騒動は参院法務委員会で取り上げられ、千葉景子法相が「どのような理由でこのような事態が生じているか調査している」と答えた。
仮放免は、収容期間や健康状態、家族の状況などの事情を考慮して、収容所長(センター長)が許可する。保証金を預け、仮放免中も毎月入管に出頭する。就労は認められず、支援者らの世話になりながら生活する場合が多い。
収容者を支援している市民団体によると、その後、うつ病と原因不明の発熱が続いて体重が激減していたパキスタン人の男性が仮放免を認められた。重度の高血圧症で12月に意識を失って病院に搬送された別のパキスタン人も、仮放免を認める方針が、センター側から伝えられた。
この2人は、約1年~1年半収容され、支援者が昨年末から健康状態の悪化を指摘し、同センターに仮放免するよう申し入れをしていたが、2月に仮放免が不許可になったばかりだったという。
ほかに、1年近く頻尿を患っていた別の収容者は、ハンストが始まった日、外部の病院へ行くのを初めて許された。膀胱(ぼうこう)に大量の尿がた まっていたため、管を入れて排出したという。診断書には、「(入管で処方されていた)薬の副作用が考えられる」とあった。この収容者も、仮放免が認められ た。
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他にも、体調が悪化したり、収容が長期になったりしていた数人が、すでに仮放免されたという。
精神的に不安定になる収容者もいる。現在も収容されているアフリカ出身の女性は、母国で政治活動を理由に収監されるおそれがあるとして昨年夏に来 日。すぐに難民申請したが、そのまま収容された。無意識に床に頭を打ち付けるなど精神状態が不安定で、弁護士に「なぜ自分がここにいるのか分からない」と 訴えている。この女性も近く仮放免が認められるという。
同センターに収容され、裁判で難民と認められたミャンマー(ビルマ)出身の男性(44)は、収容中に心身が衰弱し、7カ月後に病院に運ばれた。 「自由を奪われることは、母国で治安当局にねらわれた難民にとって、何より恐ろしいことなんです」と、難民申請者の収容を批判する。
同センターの担当者は「もともと仮放免を認める方向で検討していた人もいた。騒動があってむしろ手続きが遅れていた」と説明している。(浅倉拓也)